【書評】SIMPLE RULES

手に取った理由

特に目的もなく立ち寄った書店で平積みされていた本書をたまたま見かけ、 「仕事が速い人」!という副タイトルのパワーワードに惹かれました(笑)

就職して12年も経つ私ですが、いまだ「仕事が速い人」には程遠く、仕事を無駄なく効率よく、素早く終わらせて毎日定時で帰る! そんなサラリーマンに少しでも近づけるヒントを求めて購入しました。

感想

本書では、米国の衛生兵が負傷者の負傷の程度を選別する(トリアージ)際のルールや、経営難に陥った企業が課題に着手する際のルールなどの実例を交え、シンプルなルールが物事を成すこと、あるいは問題解決に効果的であるかを説いてくれています。

なぜ「シンプルなルール」が効果的であるかは本書の”はじめに”で早速述べられますが、以下の4つの特徴によります。

  1. ルールの数が少ない

  2. 使う人に合わせてカスタマイズできる

  3. 具体的である

  4. 柔軟性がある


「数が少ない」=「簡単に覚えられる」

「カスタマイズできる」=「微調整ができる」

「具体的である」=「やることがはっきりしている」

故に、目標・目的に向けて迷いない判断、行動が取りやすくなるのだと私は解釈しました。ルール作りについてもっと掘り下げて解説してくれています。 ここでは簡単に紹介しますが、ルールには以下の6つの特色があるそうです。

1. 境界線ルール

 "イエス"か"ノー"かを見極めるルール。「○○できるか」等。

2. 優先順位ルール

 何を優先すべきかを定めるルール。「もっとも○○なものはどれか」等。

3. 停止ルール

 止めどきを決めるルール。「○○になったら、××は止める」等。

4. ハウツールール

 至る所で使われている。「○○する」「××しない」等。

5. コーディネーションルール

 他者との協調、集団行動をとる際のルール。(これは簡単な例を挙げるのが難しいので本書をそのまま引用しますが、鳥が群衆で規則正しく並んで飛ぶ際、「隣の鳥に近づきすぎない」などのルールの下で成り立っているそうです)

6. タイミングルール

 何かをやる時間、タイミングを決めるルール。「毎朝同じ時間に起きる」等

実践

本書をヒントに、「毎日定時で帰る!」を目標に、私なりにルールを作ってみました。

まずは「なぜ、定時で上がれないのか」をテーマに要因・原因を自分なりに分析しました。

なぜ、定時であがれないのかの自己分析表

以上の分析から作成した「毎日定時で帰るための仕事のルール」がこちらです。

• 作業の開始時刻をタイムトラッキングアプリに必ず記録する(ハウツールール)
• 30分考え込む場合は迷わず周囲に相談する(停止ルール)
• マルチタスクにしない(ハウツールール)
• 自分や部下に余裕が無い場合は急な依頼は断る(ハウツールール)
• 以下の条件に当てはまる業務は部下や後輩に依頼する(境界線ルール)
    ○ 自分が教えられる業務
    ○ できれば、部下・後輩の成長につながる業務
• 最も優先すべきは”家族”。その日の仕事が終わったら、速やかに退社する(優先順位ルール)
• 作業時間の見積もりは、自分の思う1.5倍を見積もる(ハウツールール)
• 手帳に記載するToDoを「優先度」によって色違いの付箋に記入する(ハウツールール)
• 午後以降、300ml以上のコーヒーを飲まない(タイミングルール)

・・・見事に「ハウツールール」ばかりになってしまいましたね。数ももっと絞りたかったのですが、原因一つ一つに対策するようにルール作りをした結果、この数になってしまいました。

「シンプルルール」になっていない気がします、いや、なっていませんがとりあえずこのルールで回してみて、上手くいったこと、いかなかったことを振り返りながらルールを改善してきたいと思います。


【追記】

2020/01/29

自分ルールの「作業時間の記録」にタイムトラッキングアプリを使うようにしました。

自分の場合「aTimeLogger」というアプリです。

一つ一つのタスクにどれだけ時間を費やしているか一目でわかり、1日の振返りに大変役立っています。 これによってメリハリも生まれ、最近は定時で帰宅できています!

(結局、繁忙期かそうでないかによって定時退社の可否が大きく左右されてしまうのですが・・・)